見つける喜び、飾る愉しみ。

オブジェのある風景

なにかに心を動かされる、その瞬間

旅先の蚤の市で、
ふと足を止めてしまったあの置きもの。

古道具屋の片隅で、
なぜか目が離せなくなった小さな彫刻。

「なんだかいいな」と思う瞬間は、
理屈ではうまく説明できないものです。


役に立つかどうか、必要かどうか。
そんな問いを超えて、ただ心が動く。

オブジェとの出会いは、
そういうものなのかもしれません。


スペインの乾いた大地と港町から届いた民芸品、
日本の森と海から生まれた造形物。

遠く離れた土地で、それぞれの職人や作家が
「見つけた」ものが、形になりました。

あなたの「見つけた一つ」が、
ここにあるかもしれません。

見つける喜び ①
スペインから届いた、民芸のかたち

地中海の陽光、大西洋からの潮風。
風土が育んだ手仕事は、どこか肩の力が抜けていて、見ているだけで気持ちがほぐれていくようです。

完璧を求めず、素材と対話しながら手を動かす。
スペインの民芸には、そんな自由で朗らかな空気が流れています。

陽光の国から届いた、愛嬌あるロバたち

ARTESANIA SAN JOSE

スペイン南部、アンダルシア地方。
白い壁の街並みと、オリーブ畑が広がる乾いた大地で、1944年から民芸品をつくり続けてきた工房があります。

「ARTESANIA SAN JOSE」が手がけるのは、地中海沿岸に自生するエスパルト草を編んで形づくったロバのオブジェ。スペインで古くから暮らしを支えてきたロバは、身近な存在として民芸のモチーフに愛されてきました。

水瓶を背負い、少しくたびれたような表情。間の抜けた顔つきに、思わず「おつかれさま」と声をかけたくなります。

バリエーションは全部で8種類。すべてが職人の手仕事による一点もので、編み目の粗さや、大きさ・表情の違いは、大量生産では生まれない魅力です。

届いたときは淡いベージュだったエスパルト草が、時間とともに飴色へと変化していく経年変化も楽しみのひとつです。

玄関の棚や窓辺など、視線が自然と集まる場所に置くと、空間にさりげない物語が生まれます。

港町の風を運ぶ、色鮮やかな魚たち

BATELA

スペイン北部、バスク地方の港町から届いたのは「BATELA」の魚のオブジェ。海辺の暮らしをテーマにしたこのブランドらしい、素朴さと遊び心が同居した一品です。

木の塊から削り出された流線的なフォルムに、職人の手による彫り跡がそのまま残る素朴な造形。

目を引くのは、白・赤・青のトリコロール。南仏やモロッコの市場を思わせる鮮やかな色合いは、見ているだけで旅情を誘います。

白、赤、青のフレンチヴィンテージの風が漂うスモールサイズ。

土台には錆び加工のアイアンを使用し、経年変化した金属の風合いが深みを添えています。

魚のモチーフは、古くから「幸運」や「豊かさ」の象徴とされてきました。玄関や窓辺に飾れば、穏やかで前向きなエネルギーを運んでくれそう。見ているだけで元気をもらえる、朗らかな存在です。

横長のシェルフや壁面に取り入れると、空間に流れが生まれます。

スペインの海辺文化に根ざしたBATELAらしい素朴さと遊びが同居しているオブジェです。
サイズ:幅 30cm × 奥行き 8cm × 高さ 30cm(土台含む)※個体差あり

見つける喜び ②
日本の自然が形になる

「見つける」という行為は、遠い異国だけのものではありません。
足元に転がる石、海辺に打ち上げられた流木。
身近な自然のなかにも、はっとするような造形が隠れています。

日本の森と海から届いた2つのオブジェ。
どちらも、自然が長い時間をかけて育んだ素材を、人の手が新たな形へと導いたものです。

奈良の森から届いた、積む愉しみ

tumi-isi

奈良県・東吉野村。吉野杉や吉野桧の産地として知られるこの地で、プロダクトデザインレーベル「A4」が手がけた多面体の積み木です。

素材の調達から生産まで、すべてを地域で完結させた「オール・メイドイン奈良」の品。

一見すると、河原で拾った石のよう。けれど手に取ると、木の温もりと、職人が丁寧に面取りした滑らかさが伝わってきます。

tumi-isi HARDWOOD MIX(5BLOCKS)


この積み木の面白さは、不規則であること。
どの面を合わせるか、どこに重心を置くか…積むたびに試行錯誤が生まれ、気づけば子どもも大人も夢中になります。

積み上げれば現代彫刻のように、崩れたままでも河原の石のような風景に。「遊ぶ」と「飾る」の境界が曖昧になる、稀有なプロダクトです。

天然木ならではの木目の表情は一つひとつ異なり、使い込むほどに深みを増していきます。

海からの漂着物が、アートになる

海山俊亮|Finders Trophy


直訳すれば「見つけた物が戦利品」。
デザイナー・海山俊亮氏が、日本各地の海岸で見つけた漂着物を素材にしたシリーズです。

波と時間によって磨かれた流木は、唯一無二の造形を宿しています。それを「見つけ」、そのままの形をアートへと昇華させる。土台のセメントベースも、海洋漂着物のプラスチック容器を型にして成形したもの。素材の来歴そのものが、作品のコンセプトと響き合っています。

「煙」の名の通り、柔らかな曲線と躍動感のあるフォルムは、まるで呼吸しているよう。


「mosque(モスク)」「llama(リャマ)」「wing(翼)」

作品にはそれぞれ名前が付けられていますが、何に見えるかは見る人の心次第です。

子どもの頃、雲をいろんなものに見立てていた感覚を思い出させてくれる、心にふっと余白をつくるようなオブジェ。忙しい日々のなかで、そんな存在が傍にあることの豊かさを、このシリーズは教えてくれます。

素材は使い込むほどに表情を変え、時間とともに深みを増していきます。

オブジェ選びのヒント

オブジェは、機能で選ぶものではありません。
正解も不正解もない。
だからこそ迷うこともありますが、だからこそ自由でもあります。

直感を大切に

「なんだかいいな」と感じたら、それが答えです。
なぜ惹かれるのか、理由はうまく言葉にできなくても構いません。毎日目にするものだからこそ、頭で考えるより、心が動いたかどうかを信じてみてください。

大きく広がる片側の膨らみと、そこからすっと伸びる細いラインのコントラストが特徴的。

暮らしの中に置いた姿を想像する

棚の上、デスクの片隅、窓辺。そこに置いたとき、どんな気持ちになるか想像してみてください。
朝起きて目に入ったとき、仕事の合間にふと視線を上げたとき。その瞬間が少し豊かになりそうなら、きっと良い出会いです。

個性を楽しむ

手仕事のオブジェには、必ず個体差があります。
編み目の粗さ、木目の濃淡、彫りの深さ、色のムラ。それらは欠点ではなく、世界にひとつしかない証。
同じ商品でも表情が違うからこそ、「自分だけの一つ」に出会える喜びがあります。

あなたの「見つけた一つ」を迎えてみませんか

スペインの陽光と潮風が育てた民芸品。
日本の森と海から生まれた造形物。

遠く離れた土地で生まれたオブジェたちですが、共通しているのは、「手仕事」であること、「自然素材」であること、そしてどれも時間とともに表情を変えていくということ。

手にしたその日が、関係の始まりです。
毎日眺め、ときどき手に取り、気まぐれに置く場所を変えてみる。そうして過ごすうちに、いつしか暮らしの一部になっている。そんな存在に出会えたなら、それはとても幸せなことだと思うのです。

蚤の市で宝物を見つけるように。旅先で運命の一品に出会うように。そんな「見つける喜び」を感じていただけたら嬉しく思います。