部屋の季節を、少しずつほどいていく
身を守るように重ねてきた
厚手のカーテンやラグ、
早くから灯す夜の照明。
その役目も、ゆっくりと
終わりを迎えようとしています。
春の準備は一度に済ませる必要はありません。
一枚ずつ、ひとつずつ、
部屋の重さをほどいていく。
そのゆったりとした時間のなかで、
季節はそっと移ろいます。
今回は、冬から春へと部屋を整えるときに
取り入れたいアイテムをご紹介します。
時間とともに美しさを深め、
日々に寄り添うものばかりです。
ラグ
部屋の体感温度を最も左右するのは、床ではないでしょうか。
冬の間、厚みのあるラグが足元をあたたかく守ってくれました。でも春になれば、その役割は少し変わります。
素材を変え、色を変えるだけで、部屋の空気はまるごと入れ替わるもの。
同じ広さでも、春のラグを敷いた部屋はなぜか広く感じます。
足元の軽やかさが、気持ちにも伝わるのかもしれません。
時を経た一枚を、春に迎える
手織りされた一点ものヴィンテージラグ。
数十年の時を経てなお、色はやさしく褪せ、手触りはしなやかで、古いものだとは思えないほど部屋に馴染んでいきます。
イスパルタラグは毛足もごく短いので、あたたかくなる季節にもぴったりです。
新しい素材で、部屋を軽やかに更新する
まっさらな一枚で床を整えたいときは、アイボリーカラーのラグが、春の光を床いっぱいに反射して、部屋全体を明るく見せてくれます。
さらっとしたコットンやジュート素材を選べば、足裏から春の訪れを感じさせてくれるはず。
ラウンジチェア
冬の間、人は部屋の中心や暖房のそばに引き寄せられます。
でも春になると、窓から差し込む光がやわらかくなって、気づけば自然と、そのそばに座りたくなります。
窓辺に椅子をひとつ。
それだけで、部屋に「春の居場所」が生まれます。
Paper cord
職人の手仕事で仕上げられるペーパーコードの座面。
使い込むほどに飴色へと変化し、時間とともに表情を深める一脚です。
長く付き合うことを前提に選ぶなら、このチェアが答えになるかもしれません。
ミラー
春になると、光の質が変わります。
冬の低い陽射しから、窓を斜めに抜けるやわらかな光へ。
日照時間が少しずつ伸び、部屋に光が届く時間も長くなっていきます。
その光を、部屋の奥まで届けてくれるのが、鏡の役割です。
どんな鏡を選ぶかで、部屋に差し込む光の表情も変わります。
Brass ラウンドミラー
真鍮のフレームに縁どられた、クラシカルな佇まいの丸い鏡。
金色の光沢が春の光をやわらかく受け止め、空間にあたたかみをもたらします。
直径32cmは玄関や洗面所に、直径60cmはリビングや廊下の主役として。
Oak frame ミラー Square
オーク材の四角いフレームが、壁面に凛とした軸をもたらします。
直線的な木目と落ち着いた色味は、どんなインテリアにも自然に馴染みながら、それでいてその場に確かな存在感を与えてくれます。
鉢カバー
春になってから緑を飾るのではなく、
まだ肌寒いうちに、部屋の中で春を先取りする。
植物が窓辺で芽吹く頃、部屋はすでに春の準備を終えている。
そんな時間の過ごし方が、春の訪れをいっそう豊かにしてくれると思います。
植物を引き立てる鉢にも、こだわってみてください。
Mango Wood Pot
樹皮と木肌のコントラストが美しい、マンゴーウッドの鉢カバーです。
職人が一点ずつ手作業で仕上げるため、同じものが二つとありません。
素材の温かみが、植物のみずみずしさをいっそう引き立ててくれます。
Marble Stone Pot
天然の大理石から削り出された贅沢な鉢カバー。ひんやりとした石の質感と、植物の柔らかな緑が対比をなします。
かたいものと、やわらかいもの。
無機と有機のバランスが美しい鉢です。
照明
冬の間は日が短く、暗くなる時間が早いぶん、灯りへの依存は深いものでした。
しかし春が近づくにつれ、その関係が少しずつ変わっていきます。
夕暮れ時、窓の外にまだ光が残っているうちに灯す一灯。
自然光と照明が混じり合う、その短くて美しい時間帯が生まれるのです。
どんな灯りを、どこに置くか。
春の訪れとともに、もう一度見つめなおしてみませんか。
ペンダントライト colline
天井から下がる真鍮のペンダントライトは、部屋の主役にもなれる照明です。
真鍮の素材感が豊かな光をまとい、空間全体をあたたかく包みます。
使い込むほどに変化する真鍮の色味は、時間を経るごとに魅力を増していきます。
ペンダントライト soffione
「たんぽぽの綿毛」を意味するsoffione。摺りガラスを通してやわらかく屈折した光は、空間にほんのりとした明るさをひろげます。
置き型としても使えるので、窓辺や読書のそばへと、春の居場所の変化に合わせて動かしながら楽しんでいただけます。
ウォールアイテム
家具を大きく動かさなくても、部屋の印象は変えられます。
視線が自然に集まる「壁」を少しだけアップデートするだけで、部屋の鮮度は驚くほど上がるものです。
ポスターフレーム FRANGE plywood
ウォールナットなど複数の無垢材を手作業で積層し、その断面をそのままフレームの顔に仕上げた一品。
層が重なる小口の模様は、まるで年輪のようなリズムを刻んでいて、アートを飾りながら、フレーム自体もひとつのオブジェとして壁に存在します。
棚受け一体型ウォールシェルフ Teak classic shelf
壁に直接取り付ける、薄くすっきりとしたチーク材のシェルフ。
棚板と棚受けが一体になったデザインは、圧迫感がなく壁面をすっきりと見せます。
小さなオブジェをひとつ、植物をひと鉢。余白が、棚を美しく整えてくれます。
春の支度は、一度にしなくても大丈夫。
床を替え、椅子を窓辺に動かし、鏡を壁に掛け、緑を部屋に迎える。
そのひとつひとつの積み重ねのなかで、部屋が少しずつ春になっていきます。
急がなくていいのです。
ゆっくりと季節をほどいていく、その時間そのものが、春の暮らしをいちばん豊かにしてくれるのだから。