本のように葉をひらく、彫刻のようなアロエ・プリカティリス

すっと伸びた枝の先に、扇をひらくように重なる肉厚の葉。

アロエ・プリカティリスは、その姿だけで空間をアートに変えてしまう、そんな植物です。まるで紙を一枚ずつ丁寧に綴じた本のように、平たく重なりながら伸びていく様子は、他のグリーンとは一線を画す造形美。彫刻のような存在感を放ちます。

南アフリカ原産のこの植物は、乾燥地帯で力強く育つアロエの一種。分厚い葉に水分をしっかり蓄え、過酷な環境の中でもしなやかに生き抜いてきた、そのたくましさが詰まっています。

日光と風通しを好むため、窓辺やテラスの近くなどに置くのがおすすめ。夏は直射日光を避けつつ、冬場はできるだけ暖かい場所に。

水やりは控えめで十分。土がしっかり乾いてから、たっぷりと与えるのがポイントです。乾燥気味に管理することで、根腐れのリスクを抑えられます。

ある程度の耐寒性はありますが、5℃以下になる環境では室内管理が安心です。

アロエ・プリカティリスは、インテリアに“静かな緊張感”を添えてくれるグリーンです。

たとえば、木製のスツールの上に置いて、植物をインテリアの一部として演出したり。あるいは大ぶりの鉢に植えて、リビングの角にアクセントとして置くのも素敵です。枝ぶりに個体差があるため、“自分だけのかたち”を楽しめるのも魅力のひとつ。

葉の表面には、うっすらと白い粉(ブルーム)がかかっており、やわらかく光を反射します。その静けさは、日常の中にひとつ、静謐な彫刻を置いたような感覚さえ与えてくれるでしょう。自然の彫刻を、暮らしのそばに。それが、アロエ・プリカティリスのある風景です。