ビカクシダ(コウモリラン)とつくる、静かなインテリアの風景

ビカクシダは、コウモリの羽のようにも見える個性的な葉姿で知られる、シダの仲間のひとつ。

そのフォルムはどこか有機的で洗練されていながらも、自然がつくり出したものならではの柔らかさと生命感を感じさせ、部屋の壁に飾るだけで、森の気配がふわりと漂うような空気に変えてくれます。

乾燥に強く、直射日光を避けた明るい場所を好み、空中湿度や空気中の水分を取り込んで育つ性質から、板付けやハンギングなど、鉢に植えない自由なスタイルで楽しめるのも魅力のひとつ。

無機質な空間の中にふと現れる緑の造形は、空間にリズムと奥行きを与え、ナチュラルな家具やリネンのファブリックとも心地よく調和します。

木の家具や無機質なコンクリート、ヴィンテージのガラスなど、さまざまな素材と相性がよく、モダンな空間にもナチュラルな空間にも、しなやかに馴染みます。

世話は難しそうに見えて、実はとても素直で、土の状態よりも“空気の湿り気”を大切にしてあげれば、ゆっくりと葉を広げて応えてくれるような存在です。

暮らしの中でふと目にするたびに、風が通るような軽やかさと、自然とつながっている安心感を思い出させてくれる。ビカクシダは、そんな静かな力をもったグリーンです。