リプサリス・メセンブリアンテモイデス、揺れる枝に、静けさを宿して

細く繊細な枝が、まるで空気にとけこむように伸びていく。リプサリス・メセンブリアンテモイデスは、その独特の姿で、空間にやわらかな動きと静けさをもたらしてくれる植物です。
サボテンの仲間でありながら、ふわりとした印象をまとっているのが不思議で、近くに置いてあるだけで、空間の緊張感が少しやわらぐような気がします。

直射日光は避けて、レース越しの光が入る半日陰がちょうどよい場所。明るいけれども強すぎない光のもとで、ゆっくりと枝をのばしていきます。
乾燥には意外と強く、土の表面が乾いてからさらに2〜3日後に、下から流れるくらいたっぷりと水をあげれば十分。湿度を好む性質があるので、霧吹きで葉に水を与えると、いきいきとした表情を見せてくれます。

春から秋にかけては、戸外でのびのびと育てるのもおすすめです。ただし雨が続くときは、鉢を軒下などへ移し、根を過湿から守ってあげましょう。
植え替えは年に一度。土が固くなる前に、サボテン・多肉植物用の軽やかな土へと新しくしてあげると、植物も気持ちよく呼吸を始めます。

吊り鉢にして飾れば、しだれる枝がふわりと空間を包み込み、インテリアに自然なリズムが生まれます。無機質な部屋にも、緑のゆらぎがひとつ加わるだけで、空気の流れが少し変わるような気がします。
育て方はシンプル。それでいて、少しずつ表情を変えていく姿は、いつの間にか暮らしに寄り添ってくれる存在になっているかもしれません。
