「いつか、ヴィンテージラグのある暮らしを」
そう思いながら、なかなか一歩を踏み出せずに
いる方も多いのではないでしょうか。
一点もので価格もさまざま、
選び方もよくわからない。
そんな小さな不安が、憧れを遠ざけてしまう。
でも、ヴィンテージラグは思っているよりずっと
気軽に暮らしに取り入れられるものです。
このコラムでは、
tifloで取り扱うラインナップを道しるべに、
はじめの一枚を見つけるヒントをお届けします。
物語のある一枚を、足元に
ヴィンテージラグの魅力は、なんといっても「時間を纏った美しさ」にあります。
数十年という歳月のなかで、色は深みを増し、ウールは柔らかくなじんでいく。
色むらや擦れ、少し歪んだ模様。
それらは決して欠点ではなく、時間が描いた景色のようなもの。
新品には出せない、穏やかな表情がそこにはあります。
そしてもうひとつ、すべてが一点ものであること。
同じ産地、同じ年代のものであっても、織り手の個性や暮らしのなかで生まれた風合いは、ひとつとして同じものがありません。
それは、量産品にはない唯一性であり、「自分だけの一枚」と暮らす喜びでもあります。
ヴィンテージラグに織り込まれた文様には、それぞれ意味があります。
魔除けを願うイーブルアイ、豊穣を祈る植物モチーフ、家族の繁栄を象徴する幾何学模様。
ひとつの柄に込められた物語を想像することも、ヴィンテージラグを暮らしに迎える楽しみのひとつです。
はじめの一枚、サイズから考える
柄や色も気になるけれど、まずはサイズから考えるのがおすすめです。
敷く場所が決まれば、選択肢はぐっと絞られます。
ドアサイズ(〜100cm)
ヴィンテージラグへの第一歩として特におすすめしたいのが、幅80〜100cm程度のコンパクトなドアサイズです。
玄関マットとして、デスクの足元に、キャビネット前のアクセントとして。小さくても、その存在感は十分。
tifloでは、トルコ産のドアサイズラグを1万円台からご用意しています。小さいからこそ冒険できるような、個性豊かなラインナップ。
「まずはお試しで」という方にぴったりの入り口です。
ミドルサイズ(140〜180cm)
一人暮らしのリビングや寝室のベッドサイドには、140〜180cm程度のミドルサイズがちょうど良いバランス。
ベッドサイドに敷いて朝の一歩目を温かく、コンパクトなソファやテーブル下に敷いて、くつろぎのゾーンをつくる。空間の主役になりすぎず、でもしっかりと存在感を放ってくれます。
価格帯も1万円台から5万円台まで幅広くご用意。暮らしに馴染む一枚を見つけやすいサイズです。
リビングサイズ(180cm〜)
ソファの前やダイニングテーブルの下など、暮らしの中心に敷くなら180cm以上のリビングサイズを。部屋に入ったときの印象を決める、空間の主役になる一枚です。
お手頃価格のイスパルタ産から、一生ものにふさわしいカイセリ産やバルーチ族のものまで取り揃えています。
じっくり選んで、長く付き合っていきたいサイズです。
産地を知ると、もっと楽しい
ヴィンテージラグは、産地によって織りの特徴や色づかいが異なります。
背景にある風土や暮らしを知ると、一枚への愛着もより深まるはず。
トルコの産地の違いは、こちらのページでも詳しくご覧いただけます。
イスパルタ(トルコ)
トルコ南西部、標高1,000mを超える高原に位置する古都。バラやラベンダーの産地としても知られ、「花の街」とも呼ばれています。かつてはトルコ絨毯の一大産地として栄え、今も複数の遺跡が残る歴史ある街です。
イスパルタのラグは、毛足が短く整えられているのが特徴。経年による絶妙なかすれ感と、落ち着いた色調が魅力です。色のバリエーションも幅広く、オールシーズン快適に使えます。価格も比較的手が届きやすいことから、はじめてのヴィンテージラグにおすすめの産地です。
カイセリ(トルコ)
トルコ中央アナトリア地方、世界遺産カッパドキアの玄関口として知られる都市。標高3,900mを超えるエルジェス山の麓に広がり、古くからシルクロードの交易拠点として栄えてきました。絨毯の産地としての歴史も長く、トルコを代表する名産地のひとつです。
カイセリのラグは、緻密な織りと繊細な模様が特徴。華やかでありながら上品な色づかいで、細やかなモチーフがびっしりと織り込まれています。トルコラグの中でも高い評価を受け、一生ものとして選ばれることの多い産地です。
バルーチ族(アフガニスタン)
パキスタン、イラン、アフガニスタンの国境地帯に暮らす遊牧民族。厳しい自然環境のなかで羊とともに移動しながら生活し、絨毯づくりは暮らしの一部として代々受け継がれてきました。
バルーチ族のラグは、複数の織り技法を使いこなす卓越した技術が特徴。深みのある赤や藍を基調とした落ち着いた配色のなかに、オフホワイトの差し色が映える独特の美しさがあります。
織り込まれた幾何学文様には、それぞれ願いや祈りが込められていると言われています。
色や柄は、「好き」で選んでみる
ヴィンテージラグ選びに、正解はありません。
理屈よりも、眺めていてなぜか目が離れなくなった一枚。
それこそが、今の暮らしに必要としている色なのかもしれません。
部屋に置いてみると、意外なほど、しっくりくる。
そんなことが、ヴィンテージラグにはよくあります。
赤系
ヴィンテージラグといえば赤。そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。tifloでは、深みのある赤から、くすんだピンクを帯びた柔らかなトーンまで、さまざまな表情の「赤」を揃えています。
ギュネイ No.01は、1970年代にトルコ・ギュネイ地方で織られた一枚。落ち着いた深い赤を基調に、細やかな草花の模様が織り込まれています。木の床に敷けば、空間にぐっと温かみが生まれます。
深い赤茶にペールグリーンが溶け込んだ、独特の配色。経年による褪色が、かえって柔らかく穏やかな表情を生んでいます。光の加減で印象が変わり、朝と夜で異なる顔を見せてくれます。
黄・茶系
オレンジや黄、茶褐色といった暖色は、空間にぬくもりを添えてくれる色。木の家具やグリーンとの相性もよく、インテリアに自然となじみます。派手すぎず、それでいて表情豊か。落ち着きの中にも、どこか心が和らぐあたたかさを感じられるはずです。
カイセリ No.01は、イエローベージュの地に深い青とあたたかな赤、やわらかなオレンジが織り重なる一枚。八角星と十字型のモチーフが全体に散りばめられ、まるで古い絵本の挿絵のような趣があります。223×146cmと存在感のあるサイズなので、リビングの主役としてお迎えするのがおすすめです。
クリームにオレンジが溶け込む、陽だまりのようなグラデーション。模様を持たない潔さが、かえって色の美しさを際立たせています。観葉植物の足元に敷けば、グリーンとの調和が生まれます。
ベージュ・白系
生成りやアイボリー、淡いベージュを基調としたラグは、どんな空間にもすっと馴染む穏やかさが魅力。主張しすぎず、それでいて確かな存在感を放ちます。シンプルなお部屋のアクセントにも、すでに色のあるインテリアの調和役にも。
イスパルタ No.10は、生成りをベースに、落ち着いたブラウンで描かれた草花模様と、シンプルな印象の一枚。ナチュラルでありながら品のある佇まいが魅力です。199×87cmの縦長サイズは、ベッドサイドやランナーラグとしてもお使いいただけます。
個性派カラー
空間にアクセントを添えたいときには、青や緑、紫やピンクといった個性のあるカラーを。定番色とは一味違う表情が、空間に奥行きと物語を添えてくれます。思い切った色選びが、意外なほどしっくり馴染むことも。
深いインディゴブルーの背景に、ペイズリーと花々のモチーフが散りばめられた、ドアサイズNo.01。104×58cmのコンパクトサイズは、玄関やベッドサイドに敷いて、日常に小さな特別感を添えてくれます。
気になる、お手入れのこと
「ヴィンテージ=繊細で扱いが難しい」というイメージがあるかもしれません。
でも実は、ウールやコットンのラグはとても丈夫。
遊牧民が土足の生活で使ってきたものが、数十年を経て今も美しく残っているのですから。
届いたその日から
すでに洗浄・検品済みなので、届いたらすぐにお使いいただけます。普段のお手入れは掃除機をかけるだけで十分。回転ブラシはオフにして、毛並みに沿って優しくかけてください。
汚れがついたとき
素早い対応がポイント。ウールは水分を弾く性質があるので、汚れが染み込む前に、きれいな布で叩くように拭き取ります。こすらないのがコツです。
季節の変わり目には
天気の良い日に裏返して陰干しを。湿気を飛ばし、ダニの発生を防ぎます。
天然ウール特有のにおいが気になる場合も、風通しの良い場所での陰干しで軽減されます。
気になった一枚と、暮らしてみる
「完璧な一枚」を探そうとすると、なかなか踏み出せないもの。でも、ヴィンテージラグは使い込むほどに自分の空間に馴染み、愛着が深まっていくものです。
まずは「なんとなく気になる」という直感を大切に。その一枚との暮らしが、きっとあなたの毎日をすこし豊かにしてくれるはずです。
はじめの一枚にも、
長く付き合える一枚にも。
暮らしの時間に、静かに寄り添ってくれるラグとの出会いを、ここから見つけていただけたら嬉しいです。