カイセリとイスパルタ、
ふたつのヴィンテージラグの違いと魅力
ふたつのヴィンテージラグの違いと魅力
ヴィンテージラグには、その土地の風土や人の手のぬくもりが、ぎゅっと詰まっています。
トルコの「カイセリ」と「イスパルタ」。同じ国でありながら、それぞれまったく違う表情をもつラグが生まれるふたつの地域です。
ひとつは、細やかで品のある柄が美しい、まるでアートのようなカイセリ。
もうひとつは、やさしい色と花模様が印象的な、日々の暮らしにすっとなじむイスパルタ。
どちらを選ぶかは、どんな時間を過ごしたいかに、少し似ています。今回は、この2つの代表的な産地の特徴と、ラグ選びのヒントをご紹介します。
上質でクラシカルな美しさを求めるなら、カイセリラグ
カイセリで織られたラグは、繊細な模様とやわらかな色づかいが魅力です。
シルク混の糸が織りなす光沢は、自然光の中でふわりと浮かび上がり、空間に上質なリズムをもたらします。
伝統的な中央メダリオンのデザインは、どこか静けさをたたえながら、凛とした佇まい。
家具や空間に溶け込むというより、そっと引き締めてくれるような存在です。
壁に飾ったり、ベッドサイドに敷いたり。使い方は自由ですが、どこにあっても、きっと目を奪われてしまうはず。
日々の暮らしに寄り添うやさしい、イスパルタラグ
イスパルタのラグには、花や草木を思わせる、どこか懐かしいあたたかさがあります。
淡いピンクやくすんだグリーン、やわらかなベージュ。経年によってやさしく色づいたその風合いは、時間とともに育まれたもの。
実用的でしっかりとした織りなので、ダイニングやリビングにも気負わず使えます。
家具にそっと寄り添い、暮らしに溶け込むような存在です。
最近では、リサイズやオーバーダイなどのリメイクを施した一枚も人気。
新しさと懐かしさが重なった、今の暮らしにちょうどいいラグです。
自分の暮らしに合うのは、どちら?
どちらのラグも、それぞれに美しさがあり、選ぶ楽しさがあります。
ラグはインテリアの背景になるだけでなく、日々の時間を受け止めてくれる存在。
だからこそ、自分の暮らしや空間に、どんな表情が似合うのかを想像してみるのがおすすめです。
上質でクラシカルな雰囲気を求めるならカイセリ、
あたたかく親しみのある空気をまとわせたいならイスパルタ。
比べてみると、織りの密度や色合い、サイズ展開にも違いがあります。
ライフスタイルやお部屋の使い方に合わせて、ぴったりの一枚を選んでみてください。
それぞれの土地の空気をまとったヴィンテージラグたち。
違う表情をしていても、どちらも手仕事のやさしさが宿っています。
今日はカイセリの静かな輝きを選ぶか、それともイスパルタのやさしい模様を暮らしに迎えるかをご紹介しました。
どちらを選んでも、そこから生まれる時間は、きっと心地よくあなたの毎日に寄り添ってくれるはずです。